北アルプス槍ヶ岳個人山行

 

2022.05.03(火)〜05.05(木)

コース:05.03(火)上高地〜横尾〜槍沢(ババ平)

    05.04(水)槍沢(ババ平)〜槍ヶ岳〜槍沢(ババ平)〜横尾

    05.05(木)横尾〜上高地

 

全国に蔓延しているコロナウィルスですが、ワクチン接種3回目も進んでおり今年のGWは、3年ぶりに規制がなくなりました。が、感染防止を徹底したうえでお出かけしたいものです。

私自身も先月3回目のワクチン接種を終えて、3年ぶりにGWの山登りへ行きました。

山の状況はと言いますと、北アルプスの山小屋の宿泊は予約制ですが、テント場は予約なしで張れることになったので、天気、雪の状況を判断して、テント泊の23日で、13年ぶりに槍ヶ岳へ行くことに決めました。

また、今年のGWは52日、6日をお休み(有給等)にすると10連休と大型連休になりました。

 

05.02(月)に車で沢渡駐車場へ行き仮眠。

 

05.03(火)天気:晴れ

仮眠しバスで上高地へ。規制がないせい?か連休初日の朝なので入山者は多い感じでした。

昨年の夏の穂高山行と比べても多いです。ただ、この時期の北アルプスですから、それなりの方々(雪山経験者)しかいません。天気は晴れですが、1日、2日と降雪があり、上高地もうっすらと雪化粧しています。河童橋からの穂高連峰も雪で真っ白に覆われてます。

熊すずを付けて630分過ぎに出発します。

最近は上高地付近でも熊が出没するため、熊すずを付けている方が多いです。

前日2日にも明神〜徳沢間で熊ちゃんの出没情報がありました。

明神、徳沢と歩き、この先工事中のため、横尾まで対岸を迂回して3時間程で横尾へ。

横尾で涸沢(穂高)方面と槍ヶ岳方面に分かれます。比率で言いますと8:2で、ほとんどの方々は涸沢方面へ向かいます。横尾を出発して途中、槍見平から槍ヶ岳の穂先が見えます。真っ白に輝いてます。一ノ俣、二ノ俣を過ぎ1時間40分程で槍沢ロッヂ着。槍沢(ババ平)キャンプ場は、ここからさらに40分程歩きます。また、この時期はキャンプ場の湧き水が出ていないため、小屋で水を汲んでいきます。あとキャンプ場の受付をします。北アルプスのキャンプ場は、現在1\2,000となってます。(トイレ使用料、水代が含まれ言います)

40分ほど歩き12時過ぎ(上高地から5時間30分程)に槍沢(ババ平)キャンプ場着。

まずは、スコップで雪をならし平地を作りテント(エスパースソロ一人用)を張ります。

軽く一杯やってお昼寝タイムです。夕方、テントが増えており20張程、張ってました。

夜中、時折強風が吹いてました。

 

 

入山時の河童橋と穂高

 

横尾から前穂高岳(左奥)と屏風岩

 

              ババ平キャンプ場から槍沢上部

 

お気づきの方もおられると思いますが、例年5月上旬ですと槍沢は完全に雪におおわれており、ここから先は完全な雪渓歩きを楽しめますが、1週間前に土砂降りの雨が降り、雪渓がバックリと割れてしまったのです。数日前にも上高地〜釜トンネル間でも土砂崩れがあり一時通行止めになりました。

 

05.04(水)天気:晴れ

3時前に起床し12本アイゼンを装着し、430分過ぎに出発し槍ヶ岳へ。まずはバックリ割れた槍沢の左岸に、竹竿のマーキングがありますのでマーキング沿いに歩いていきます。天気は晴れてますが、上空は雲が出ていて風が強く吹いてます。30分程で大曲(水俣乗越の分岐付近)。普段ですと、このあたりはデブリ(雪崩跡)がありますが、先日の大雨でほとんど解けたようです。大曲から上部が見えてきますが、まだ槍ヶ岳見えません。この先からは完全な雪渓歩きになり、まずはグリーンバンドへ登ります。所々クレバスがあります。先日の大雨でできたようです。傾斜が少しづつきつくなり30度位はあるような急斜面です。夏道なら岩のゴロゴロした急登のところですね。朝の冷え込みにより雪が締まっていてアイゼンが良く効きます。2時間程でグリーンバンドに。夏道でしたら、この先に坊主の岩小屋がある付近です。一旦傾斜は緩くなりますが、風が強いです。岩陰で一旦休憩し、防寒具を着込みます。槍ヶ岳も見えてきますが、上空は風が強く穂先は時折ガスが掛かり、厳冬期に戻ったように厳しそうに見えます。また、何時もここからが長いのです。再び傾斜がきつくなり、再び30度位はあるような急斜面です。殺生ヒュッテ付近を過ぎ(まだ営業前です)一歩一歩登っていきます。例年より雪は少ないです。

830分過ぎに槍の肩に出た途端に西側からの強風であおられ、まともに立っていられませんでした。(台風並みでしょうか?)槍ヶ岳山荘内へ避難します。もちろん槍ヶ岳へは誰も登っていません。登ったら簡単に飛ばされます。今回でGWの4回目の槍ヶ岳ですが、これだけの強風を食らったのは、今回が初めてでした。槍沢から登ってきた方達は皆、槍ヶ岳山荘内へ避難し、様子を伺ってます。諦めて下山する方達もいましたが、私は時間的にゆとりがあるので、しばらく様子を見てました。

山荘内の談話室?で休憩していたら、お隣にいた兵庫県から来たという単独の女性とおしゃべりして、「この時期の槍ヶ岳は初めて来たが強風なので下山する」と言ってましたが、「私は4回目なので少し様子を見て、状況が良くなって来たら登ります。一緒に登りますか?」と言ったら、「ぜひお願いします」とのことなので一緒に様子を見てました。130程で風が弱まってきて、ガスも切れて来て青空も出てきたので、一緒に登ることにしました。他の方達も登り始めてます。ヘルメットを被り、防寒具を着込みアイゼン、ピッケルを装着しカメラだけ持って登りました。他の方達も登り始めてます。岩と雪のミックスでアイゼン、ピッケルを利かせながら、クサリ、梯子を登り、槍ヶ岳山頂へ。360度の大パノラマです。山頂の祠では皆さん順番で写真を撮り、皆さんそれぞれ楽しんでました。下山は緊張します。槍ヶ岳の直下は登り下りが分かれた2段の梯子を登り下りしますが、夏でも緊張するのに、ましてこの時期はアイゼンを付けて、この2段の梯子を登り下りします。ど緊張です。下りも岩と雪のミックスです。スリップは絶対にダメです。槍ヶ岳山荘まで戻りようやく緊張が解けます。ヘルメット、防寒具を脱ぎ身軽になって12時過ぎに下山します。

一緒に登った女性に、「ババ平にテントを張っているが、一旦テントを撤収して横尾まで下ります」と言ったら「一緒に横尾まで下ります。ぜひお礼をさせてください」といって、横尾のテント代とビールをごちそうになりました。ちなみにこの方は、初日に一気に上高地から槍ヶ岳山荘まで登りテント泊で一泊したそうです。昨晩は強風であまり寝られなかったみたいです。

一緒に下山してたら、また別の4人グループの方達とおしゃべりしながら下山しました。そのグループの1人の方が動画を撮っており、一緒に撮影していただき、連休後YouTubeを見たら、私が槍沢を下山しているところがアップされてました。

下山していると、朝登ってきたときには見られなかった雪崩の跡が沢筋にちらほらと。また、クレバスも何箇所かあり、朝より幅が広がっている箇所もありました。

15時前にババ平に着きましたが、テントが見当たりません。今日ババ平に登ってこられた方が、強風でテントが飛ばされてる。とのこと。他に強風でつぶされているテントもありました。上部であれだけの強風だったので、ここのババ平もかなりの強風だったようです。槍沢はU字谷の地形なので風の逃げ道がないのでしょう。テントを張ったとき、張綱をしっかり固定し、ペグ等は雪の中に埋めてしっかり固定したのですが飛ばされてました。さて私のテントはどこえやら?あたりを探すと別の方が河原に1張飛ばされてる。とのことなので、見回してみると、私のテントがありました。見に行ってみますと幸いにポールも折れてなくフライシートも付いてました。テント内も出発するときに整理して行ったので、若干食料が散乱していて、テントの底の部分が少しだけ破けてましたが、ほぼ無傷でした。

急いでパッキングしなおして、16時前にババ平を出発して18時過ぎに横尾に着きました。テントを張り、一緒に下ってきた女性にテント代とビールをごちそうになり、お互いの健闘をねぎらい軽く飲んで寝ました。雪のないところでしたので爆睡しました。さすがに12時間以上行動していたので疲れましたね。

 

 

大曲付近(水俣乗越への分岐辺り)

 

 

                グリーンバンドへの急登

 

グリーンバンド付近から槍沢

 

 

グリーンバンド付近から槍沢上部(槍ヶ岳がガスに覆われている)

         

          殺生ヒュッテ付近から上部(槍ヶ岳山荘が見える)

 

槍ヶ岳山荘から槍沢

 

槍ヶ岳山頂

 

槍ヶ岳山頂から穂高方面

 

槍ヶ岳

 

槍沢のクレバス

 

05.05(木)天気:晴れ

4時過ぎに起床し、ゆっくり出発の準備します。5時前には日の出、再び前穂高がモルゲンロードで赤く染まります。

下山してきた女性と一緒に630分に上高地へ向けて出発し、徳沢、明神と歩き3時間程で上高地へ。名物の山賊焼き定食を食べましたが、再びごちそうしていただきました。その後、それぞれ帰路へ着きました。私はバスで沢渡へ。

今回、ご一緒していただいた女性とは一期一会ということで。

個人的に、久しぶりのGWの山を満喫しました。

 

下山時の河童橋と穂高

 

全国的に、まだコロナウィルスが蔓延しており、マスク着用等あります。

昨年の夏に引き続き、バスの乗車中、山小屋、上高地周辺のみマスクを着用しましたが、山の上は密にはなりませんし、行動中にマスクをしている方はほとんどいませんでした。

一日でも早くコロナウィルスが終息することを願ってます。

 

記:八角猛司