北アルプス・立山〜薬師岳

 

                        2022.07.31(日)〜08.06(土)

 

八角猛司(個人山行)

 

コース:07.31(日)富山〜立山〜美女平〜室堂〜雷鳥沢

    08.01(月)雷鳥沢〜剣御前〜別山〜雄山〜一ノ越〜雷鳥沢

    08.02(火)雷鳥沢〜一ノ越〜獅子岳〜ザラ峠〜五色ヶ原

    08.03(水)五色ヶ原〜越中沢岳〜スゴ乗越

    08.04(木)スゴ乗越にて停滞

    08.05(金)スゴ乗越〜間岳〜薬師岳〜薬師平

    08.06(土)薬師平〜折立〜有峰口〜富山

 

未だ収束が見えないコロナウィルスは、第7波が全国に蔓延している状態ですが特に規制もなく感染防止を徹底したうえでお出かけしたいものです。

山の状況はと言いますと、昨年の夏に引き続き、バスの乗車中、山小屋のみマスクを着用しましたが、山の上は密にはなりませんし、行動中にマスクをしている方はほとんどいませんでした。

北アルプスの一部の山小屋でも従業員の方に感染者が出て、急遽一時閉鎖になった山小屋もありました。

山小屋の宿泊は全て予約制ですが、テント場は予約なしで張れることになったので(一部のテント場は予約制)、5年前に計画した北アルプス(立山〜薬師〜黒部五郎〜槍ヶ岳)をテント泊の67日で行くことに決めました。

しかし、日程がずれ込み、また悪天候で停滞があったため北アルプス(立山〜薬師)の縦走となりました。

また私事ですが、会社の勤続年数で今年の夏は一週間のお休みのご褒美をいただくことが出来ました。

 

07.31(日)天気:晴れ

今回は入山を扇沢から入るか、富山から入るか。

何時も扇沢から入山しており、今回は富山から入山することにしました。

東京駅720分発の北陸新幹線かがやき503号で富山へ。2時間10分で富山着。新幹線は早いですね。富山地方鉄道に乗り換えて立山へ。こちらの駅の近くに「立山カルデラ砂防博物館」という施設があります。無料開放日でしたので30分程見学してから、ケーブルカーで美女平へ。高原バスに乗り換えて1時間程で室堂へ。

登山届を提出してから雷鳥沢キャンプ場へ。14時過ぎに着。

 

     

室堂

 

08.01(月)天気:晴れ

4時過ぎに出発。劔御前までの登りを30キロのザックを背負い体を慣らすため、ゆっくりと登ります。2時間程で劔御前着。岩と雪の殿堂の劔岳がどっしりと構えてます。別山を経て雄山へ向かいますが、この先、少しずつペースが落ちてきます。左側に内蔵助雪渓(氷河)を眺めながら、大汝山へ向かいますが登りがきついです。ゆっくり登り大汝山を経て930分過ぎに雄山着。山頂は、たくさんの登山客でにぎわっています。家族連れ、ちびっ子、皆それぞれに楽しんでいます。雄山神社で今回の登山の安全祈願をしていただきます。

登山の安全祈願、展望を楽しんでいて時間が過ぎてしまいます。11時過ぎに一ノ越着。

この後、五色ヶ原へ向かう予定ですが、小屋の方達、五色ヶ原から来た方達に、「テント泊で荷物が重たいと5時間見たほうがいいですよ」と言われ、前日夕立ちがあったため、明日改めて向かうとして、一旦雷鳥沢へ下ります。まずは室堂へ下り、ゴミを捨てて雷鳥沢キャンプ場へ。

日程が1日ずれ込みます。

 

 

劔御前より剱岳            雄山から薬師方面

 

08.02(火)天気:晴れ

530分に出発し、前日の一ノ越へ。改めて五色ヶ原へ向かいます。

立山は多くの登山者で賑わっていましたが、一ノ越から薬師岳までは登山者の数も減り静かな山歩きが楽しめます。

浄土山、龍王岳の間を抜けて、鬼岳の東側の雪渓を渡り獅子岳へ。ここまでは結構ガレ場を歩きました。また、前日この付近の雪渓にクマさんが居たみたいです。

獅子岳からは一気に下りザラ峠へ。再び上り返して五色ヶ原へ。

五色ヶ原山荘で受付をして10分程歩いてキャンプ場へ向かいます。13時前にキャンプ場着。

誰一人来ていなく不安でしたが1時間程で少しづつ来はじめました。(クマさんが出そうな雰囲気でした)

 

 

鬼岳の東側の雪渓と獅子岳          獅子岳からザラ峠への下り

遠くに槍ヶ岳が見える           その後、五色ヶ原への登り返し

 

08.03(水)天気:ガス時々雨

今日から2日間天気が悪天候の予報です。

九州付近に来た、台風から変わった低気圧が朝鮮半島から前線を伴い日本海に入ってきました。

九州付近に来た、台風から変わった低気圧はほぼ日本海に入ってきますね。低気圧が日本海に入ってくると、北アルプスは全域で雨になります。過去にも何度か同じ天候に遭遇しました。

夜中、時折強風が吹いていて、3時過ぎに起床し空を見上げると、星は出ていたが、雲の塊が次々と流れていきます。5時過ぎに出発し一旦、五色ヶ原山荘へ。スゴ乗越へ向かいます。

稜線に出ると西からのガスと強風ですが躊躇なく進みますが、スゴ乗越までは比較的樹林帯が多いので助かりましたが、意外とガレ場があり、アップダウンが多いです。

7時前から雨が降り始め、雨具のズボンのみ履いて歩きます。

越中沢岳手前で目の前を横切る何かが居ました。ライチョウでした。悪天候になるとライチョウを見かけますね。830分前に越中沢岳を通過し、アップダウンの道を進みます。

ガスで景色は全く見えず、1/25,000分地形図と高度計で現在地を確認しながらを繰り返します。

雨は時折降るくらいで、比較的樹林帯が多いので助かりました。

1140分頃にスゴ乗越小屋着。急いでテントを張り、少し経つと本格的に雨が降ってきました。

翌日の天候は雨のため、翌日は停滞と決めました。

夕方、小屋の方が別のテント泊の方に、「この辺りはクマが出るので食料はテント内に入れてください」と言ってました。確かにキャンプ場周辺は木で鬱蒼としています。クマが居てもおかしくないですね。

 

    

         越中沢岳

 

8.04(木)天気:雨のち曇り

悪天候のため、スゴ乗越で停滞しました。

ラジオで山形県、新潟県で河川の氾濫が起きている被害を確認します。

北アルプスは特に被害の情報はありませんでした。

停滞するのは私だけで、他の方達は出発していきました。薬師岳方面へ行かれる方達も居ましたが、時々雷雨があったりと、「ま〜よく行くな」と。私は全く行く気にはなりませんでした。

キャンプ場は、スマホの電波が入るため(ドコモ)自宅に掛けて「今日はスゴ乗越で1日停滞するので大丈夫」と伝えました。やはり心配していたようです。

 

         

時折ガスが切れて前日歩いた越中沢岳が見える

 

8.05(金)天気:晴れ

3時過ぎに起床し空を見上げると、星が出ています。

530分過ぎに出発しますが、天気は晴れてますが前日の雨の影響で空気が湿気を帯びている感じがします。森林限界を抜けると、左側に黒部川上ノ廊下が見えます。

1時間50分程で間山へ登りましが、少しずつガスが上がって来てます。おまけに西側には既に積乱雲も見えます。

とりあえず薬師岳までは「雷さま来ないでください」と祈りながら歩きました。(笑)

北薬師岳までの登りは、ところどころガレ場が続き、またザックの重荷と立山から歩いてきているためきつかったです。

9時過ぎに北薬師岳着。左側の金作谷カールを眺めながら、10時過ぎに薬師岳着。

結構バテましたが23年ぶりの薬師岳です。周辺はガスに覆われて西側が見える程度でしたが、気持ちは大満足です。

薬師岳の頂上は、スマホの電波が入るため(ドコモ)自宅に掛けて「薬師岳まで登った」と伝えました。埼玉県方面は天気が良くなかったため心配していたようですが、薬師岳まで登ったので安心したようでした。

あとは薬師平まで下るだけです。途中、薬師岳山荘にて山荘オリジナルのタオルを購入しました。こちらのタオルが欲しかったのです。

薬師岳を超えると、登山者の数も多くなってきました。登ってこられる方達は折立から登って来た方達が多かったです。

1230分頃に薬師平キャンプ場着。テントを立てますが前日までの雨でびしょぬれのため、ポールを差し込んで本体、フライシート、他を乾かします。天候はと言いますと、上空は雲で覆われてますが、晴れ間の覗いており雨も降らずに、思っていたほど悪くはなかったです。

 

 

間山から歩いてきた立山、越中沢岳方面      左側に見える黒部川上ノ廊下

 

 

薬師岳              薬師岳山頂(バテてます)

 

     

薬師平キャンプ場(エスパース ソロ1人用)

 

8.06(土)天気:曇り

430分過ぎに薬師平を出発し太郎平へ登り返して黒部五郎岳方面へ向かいますが、全くペースが出ず、また気持ち悪くて立ち止まってしまいます。(結構疲れが溜まっていました)

当初は黒部五郎岳〜三俣蓮華岳まで縦走の予定でしたが、この先の黒部五郎小屋のキャンプ場は予約制のため、三俣山荘キャンプ場まで行かなければなりません。この状況では無理と判断して、一旦、太郎平へ戻り少し休んでから折立へ下山することに決めました。ただ、折立からのバスは今年は全て予約制のため、しかも12本のみです。時間に間に合っても乗車できるかわかりませんが、とにかく折立へ下山します。太郎平から折立までは下山で3時間コース。バスの時間は840分発です。太郎平を出発したのが6時前でしたので果たして間に合うか。間に合わなければ、次のバスは1230分発です。とにかく840分発のバスに乗車するため飛ばします。時間的に折立から登ってくる方達が多くなります。山登りは基本登りが優先なので登る方達を先に行かせてから、ひたすら飛ばします。(朝方の体の調子は?と思うくらいです)

830分過ぎに折立に下山しました。バスがすでに停まっていたため、運転手さんに乗車出来るか確認すると、「今日は空いているから予約なしでも乗車できます」とのことです。あきらめずに飛ばしてきて良かったです。乗車したバスは有峰口行きのため、富山へは有峰口で富山地方鉄道に乗り換えです。

50分程で有峰口に着き、富山方面の電車が来るまで時間があったので、運転手さんにお風呂に入れるところを聞くと、富山の手前の不二越駅のそばに「満天の湯があります」と聞き、途中、岩峅寺で乗り換えて行きました。

入浴料\750で、脱衣所が広く、内湯、露天風呂、サウナ、外には寝られるところあり。と良いお風呂でした。2時間30分程入って、1週間の汚れを洗いさっぱりしました。

14時過ぎに富山駅へ。新幹線の切符を買って、富山駅構内を散策します。23年ぶりに来ましたが、新幹線が開業してから大きく変わりましたね。

富山と言えば、ホタルイカ、白エビですね。駅構内の飲食店で白エビ丼、ホタルイカの沖付けをビールで流し込み、お土産を買って、1616分発北陸新幹線かがやき510号で東京へと帰りました。

 

     

白エビ丼、ホタルイカ

 

今回の山行は、5年前に計画した北アルプス(立山〜薬師〜黒部五郎〜槍ヶ岳)をテント泊の67日で行くことに決めましたが、途中、悪天候で停滞があったため北アルプス(立山〜薬師)の縦走となりました。

槍ヶ岳までは縦走出来ませんでしたが、単独で67日テント泊、好天、悪天(停滞)等、また1番歩きたかった五色ヶ原〜薬師岳を歩けて、内容的には満足した中身の濃い山行でした。