個人山行

 

神奈川を歩こう(予告編)

 

                                                       高橋 伸直

 

山雀の皆さん、ご無沙汰しております。高橋 伸直です。

久しぶりに「駅伝歩き」の再開です。今回は神奈川県の東西にXを描くコース。横浜市の南東端‐八景島から県央に向かい相模川を渡って、丹沢湖、さらに北上して藤野から県境の稜線を巡る\と、川崎市の登戸から本厚木、松田を通り、箱根外輪山を越えて湖尻に抜ける/です。\は県央の「座間」、/は相鉄線の「西谷駅」に到達したところで、年越し。さらに、緊急事態の再発令となり、中断しています。

この先、どうなることやら。先ずは、出だしの部分をご紹介します。

 

 

(1)    根岸線港南台駅-金沢シーサイドライン八景島駅:(9km)1/5万図(横浜)

 

円海山から八景島まで横浜市南部に残された貴重な緑の回廊を巡るコース。途中には、能見堂跡や称名寺等の歴史遺産もあり、鎌倉時代に思いをはせることもできる。但し、称名寺市民の森の上り返しは疲れた体にきつかった。八景島で遊ぼうという気力も萎えた一日だった。

 

一週間ばかり前に訪ねた港南台駅前から南に下る。紅葉が鮮やかなひばり団地を抜けて、港南台五丁目交差点を渡り、坂を上ると「円海山・大丸山周辺」ハイキングコース入口に着く。女性二人組が身支度している。緩やかな舗装道を上り無線中継所手前の車止めを越えたら、正面の小道を下る。畑の中を進み左手に上れば、知る人ぞ知る夜景スポットからの眺めが広がる。再びコースに戻り、いっしんどう広場を左折、覆いかぶさるように木の幹の伸びる道を行くと鳥の声が響き、柵で囲われた円海山頂上を左手に見送る。NHK-FM横浜送信所の先で、右手の階段を下っていくと、大岡川源流のおおやと広場に着く。頭上に横浜横須賀道路の高架を見上げ、沢沿いの道を下ると目の前に畑の広がるコース入口に着く。畑の向こうになばな休憩所への入口があり、沢沿いの坂道を上るとホタルの生息地を過ぎて金沢区に入る。トンネルの手前で左に曲がり、高速道沿いに進むと、釜利谷本線料金所の建物がある。階段を上って料金所を通り、正面の側道脇に山道の入口を見つけて入ると、しばらく足場が悪いものの鉄塔脇から六国峠ハイキングコースへ出る。ひと上りで能見台住宅地の一角に着けば、いよいよ気分も高鳴ってくる。

 

所々に上り坂を交えたハイキングコースは行き交う人も多く、良く利用されているようだ。能見台車庫前バス停分岐の先の階段を上ると、高速道直上の公園に着く。ここには、ベンチやテーブルがあって休むのに丁度よい。 さらに下っていくと左手が開け、良く手入れされた草地の下に関ヶ谷不動尊のお堂があり、傍らには勢いよく水が流れている。周囲を林に囲まれた不動池は、午後の陽に明るく照らされ、水鳥たちが遊んでいる。池のほとりには子供連れとベンチに座る老夫婦がいるだけの別天地だ。再びコースに上り返すと、尾根の途中に平地の広がる能見堂跡はすぐである。傍らに立つ石碑やよく茂った木々に在りし日の面影が偲ばれる。ここからは金沢八景方面が望まれ、かつては内海の広がる眺めのすばらしい景勝の地であったようだ。さらに下ると固い岩で覆われた滑りやすい道が、古道の趣のある切通の中に続いている。最後は急な階段を下りてコース入口に出る。住宅地の中を進み、金沢文庫駅前の踏切を渡ったら、横須賀街道を左へ行く。谷津二の橋交差点を右折し、最初の角を右に上っていくと、城山台公園の脇を通って三宝寺の墓地に突き当たる。墓地脇の急な階段を上ると、左手に称名寺市民の森の入口がある。

 

ひと上りで台の広場に着くと、落ち葉の散り敷く小平地がある。ここからさらに進み、急な階段を上って六角堂に着くと、親子連れがかくれんぼに興じている。ここからは、住宅街の向こうに遠く円海山が望まれ、逆に八景島が近くに見える。急な坂道をいい加減下ったところで稲荷山休憩所に着く。金沢文庫の礎を築いた北条実時の墓前を過ぎると仁王門への道標が現れ、落ち葉の散り敷く日向山通りの階段を下って、草原の傍らに出る。振り返ると紅葉に覆われた市民の森が広がり、起伏に富んだ山道が思い出される。仁王門から境内に入ると、太鼓橋の袂でカメラを構える人がいる。どうやら、対岸のカワセミを狙っているらしい。人の流れを横目に太鼓橋の上から称名寺庭園を眺めていると、時の経つのも忘れそうだ。仁王門前の参道を進み、赤門を左折する。次の文庫小入口交差点を右折すれば、まつかぜ公園脇を通って、海の公園に着く。家族連れが砂のお城を造って遊んでいる脇を歩いて行くと、午後の陽も大分傾いて、自分の影が長く伸びる。海から上がったところに金沢シーサイドライン八景島駅がある。2020年12月6日歩く

 

[注]

「能見台」:1980年代から京浜急行により開発された大規模住宅地。住宅地としてだけではなく、教育施設や商業施設などが計画的に開発されているため暮らしやすく、一部は緑地として保全するなど、自然の中で四季の移り変わりを感じながら生活できるようになっている。最寄り駅は、京急能見台駅であるが、元々は「谷津坂」という駅名だった。ちなみに、能見台とは、江戸時代から知られた景勝地「能見堂」に因んでいる。

 

参考までに、関連するホームページを挙げます。

       http://theyokohamastandard.jp/article-5336/

       https://siminn.web.fc2.com/sampo2.html

       http://machimori.main.jp/details9110.html

 

 

[追伸]

往年の大著「神奈川を歩こう」が電子書籍として復刻されました。県内6コース、総計807㎞にも及ぶ散策コースは、コロナ禍時代の近場歩きのお供として皆様のお役に立てると存じます。

詳細については、山雀ホームページにて。

 

高橋 伸直(Nobunao Takahashi)