個人山行

 

                    葛根田川遡行釣り山行  

 

9月20・21日

 

L:多田、その友人

 

17年ぶりの葛根田川、前の会のザイルパートナーだったT君を誘ってみた。どうも彼は「岩登り」をやめた後「トライアスロン」を経て最近は「釣り」に、はまっているらしい。

19日(土)夜、東京駅発深夜バス〜翌20日(日)545盛岡着。昔はなかった「カーシェア」サービスは便利、即、車ゲットして時間ロスなしで「滝の上温泉」へ。ほとんど昔の記憶がないが、地熱発電所だけは覚えている。

天気は徐々によくなってきている。車をデポして出発816、入渓点も比較的明瞭でスタスタと。水量も17年前より少なく高巻きも最小限、持参した8mm×30mも一度だけ申し訳程度に使ったレベル。

あらためて確かに秀渓だ。特に白いスラブが奥まで繋がっており、その上を滑る流れが美しく秋の陽に輝いている。そんな秋の渓景を楽しむうちに「葛根田大滝」(215m)に到着、問題はこの「魚止めの滝」の上に岩魚がどのくらいいるかだ。1300すぎには滝之又・北の又分岐に到着、左岸に絶好の幕営適地があり、一番乗りなので早速、テントを張り、そこをベースにする。

 T君は「フライ」にこだわるが、私は最初から手堅く「川虫」集めへ(「ブドウ虫」はもっていたが)。思ったよりも大きなオニチョロが10匹簡単に入手できた。ポイントを見つけて、入れ込んでみたが意外と、ここの岩魚は「用心深く、すれていた」。大きなチョロを「生きのいいまま」召し上がっていただくために尻から針を入れて脇腹まで抜いて投じたが、生意気にもチョロの頭だけ食いちぎられた。激昂した私の次の一投は、同サイズのチョロの首から針入れして同じポイントに落としてやった。先ほど食い逃げした25p級が激しい抵抗むなしくあがってきた。ザマアミロ・・・。

結局、「フライ」のT君は坊主、多田は7尾でとりあえず、餌釣りの名目は保った。夕食は「焼き」(遠赤外線焼き網で)「刺身」「揚げ」、特に深津さんに教わった「素揚げ」は塩でいただくと最高で、岩魚ちゃんを骨・皮残さずいただける。夜も星空、寒くも暑くもなく快適な沢営だ。

 翌朝は曇天、620出発、少し行くと「明通沢」を下降して「滝の上温泉」に至る循環ルートとの分岐となるが、T君が久々の沢登りでラバーソール沢靴の「苔捌き」「ぬめり捌き」に自身がないようなので、やめておく。「大場谷地」に出て「八瀬森山荘」のある稜線まで源頭部を詰めることにしたが、背丈まであるクマザサを分ける最後の藪漕ぎはかなりハードだった。結局「八瀬森山荘」945到着。

ここからは、ひたすら稜線の登山道を「小畚(もっこ)山」「大深岳分岐」「三ツ石」経由で「滝の上温泉」へ。午後から天気はかなり良くなり、東北の山らしい秋の光と風を浴びながらの美しい稜線漫歩。特筆すべきはやはり東北の避難小屋はどこも素晴らしく綺麗だ。「八瀬森山荘」「三ツ石避難小屋」とも泊まらなかったのが惜しいほどだった(多田)。

 

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白いスラブが源頭まで続き、この上を水が滑っていく。快適な沢歩き(同行したT君)

 

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やや紅葉しかけた東北特有の「たおやかな」稜線。秋の陽に木々が嗤う。風が光る