No.19-4877

 

           

 

                             2019年8月12日(月)、13日(火)、14日(水)

 

                                    L相原、加藤、大石、伊藤

 

 ことしの夏山は、一昨年の裏銀から高天原・笠ヶ岳、昨年の仙塩尾根から蝙蝠尾根・伝付峠越とハードな縦走が続いたので楽に歩けるコースで静かな山旅をしようと思い、朝日連峰の縦走にした。

 一昨年・昨年と同様に前日発としたのは、出発地の鶴岡までが500㎞以上の遠距離なので移動に丸一日を要するためだ。早朝7時前に北杜市の自宅を出発、集合を何処にしようかと迷ったが、東北道に早く合流するため圏央道の桶川加納IC近くの桶川駅西口9時半とした。多少遅れて10時には出発、圏央道経由東北道へ。久喜白岡JCTから既にお盆渋滞が始まっており、暫くは我慢、宇都宮の手前の大谷PAで伊藤さんに運転を替わって頂く。この大谷PAは人気がないせいか渋滞せずにスンナリと入れてトイレ待ちもなくお薦め。再度、鏡石PAで再度運転を交代したがこの区間運転を休めたのは有り難かった。

 山形道に分かれる村田JCT近くでは台風10号の影響から雨が降っており先行きを案じたが、笹谷トンネルを越えた山形県側では快晴、幸先良し。遠い昔バブルの頃、ゴルフ場の開発事業のため月に二度くらい3年間ほど河北町に通ったことを思い出す。あれから30年、山形も随分と変わったと思いながら、庄内あさひIC近くのコンビニとGSに立ち寄り大鳥を目指す。

 午後6時半、漸く旅館朝日屋に到着、その駐車場で見かけた白人の女の子、タイムスリップして昭和をそのまま持ってきたような集落に何故彼女が居たのか謎が残ったままだ。食堂では3組10名程が食事中、岩魚・根曲竹の田舎料理、これで1泊2食6,800円には大感激。

 

8月12日 晴れ [泡滝ダムから以東小屋]

 今日の歩行時間はそれ程多くないので、7時からの朝食は確り頂き車で出発。泡滝ダム駐車場にて車両回送サービスの朽木さんに見送られて8時15分に出発。当初は大鳥小屋泊の予定だったが、歩行時間が3時間では勿体ないので以東小屋までとした。今回のメンバー加藤さん、大石さん、伊藤さんはそれぞれ朝日連峰5回目、3回目、4回目とのことで、2回目の私よりも経験豊富だ。

 林道を過ぎ登山口から入るブナの巨木に囲まれた山道は快適だが、初日のためか山歩きに慣れるまでは体が大変だ。大鳥池に上る七曲りからは急登となり頑張り処。大鳥小屋の佇まい、大鳥池の静かな湖面、40数年前の20歳代半ばに経験している筈だが湖面の微かな記憶が有るだけだ。

 

  

泡滝ダムから歩き始める               泡滝・登山口

 

  

樹間の山道を歩く               冷水沢吊橋

 

  

七ッ滝沢吊橋                    大鳥池・タキタロウ小屋

 

 大鳥小屋で昼食を取り、オツボ峰経由の迂回コースに入る。今回の山行では最大の上り、陽射しを浴び暑さも加わり汗が滴り落ちる。

 

  

大鳥池取水口                  オツボ峰手前から

 

 オツボ峰からの上りは多少楽にはなったが、以東小屋はまだ遠い。高山植物に励まされながら何とか以東岳へ。記念撮影の後は小屋へ下りるだけ。16時半過ぎに外で登山者が食事中の小屋に到着。ザックをおろして雪渓の下へ水を汲みに行こうとしたが、大石さん、伊藤さんが同行してくれて有り難い。

  

三角峰手前                     大鳥池を見下ろす

 

木の香漂う新築の以東小屋は、管理人のお姉さんがとても親切。屋外での伊藤さん担当のポトフも美味しく頂き、日本海の雲間に落日する様子を見ることが出来た。

  

新しい以東岳避難小屋                ベンチは満席のため管理人さんが板を提供

 

  

以東小屋より日本海に落日              奥は鳥海山

 

8月13日 晴れ[以東小屋から竜門小屋]

この山行のハイライトの稜線漫歩の日、狐穴小屋まではニッコウキスゲや池塘のある草原の道を進む。狐穴小屋のご主人は面白いことこの上ない。この18日に小屋で式を挙げる二人を見送りながら他愛も無い話に花が咲く。

 

  

 以東岳避難小屋の朝                                 以東岳にて

 

  

以東岳より大朝日遠望                         以東岳から南下する

 

  

 

  

嫋やかな峰々  

 

  

チングルマ(陣車)の群落

 

  

狐穴小屋

 

北寒江山から西に散歩と昼寝をしたかったが、日陰が無く暑さで無理。山行中は台風10号が接近し、東北地方はフェーン現象で特に暑かったことが後に分かった。南寒江山の南面は、マツムシソウなどで紫一色に染まっていた。

  

  

三方池                

 

  

以東岳を振り返る

 

  

竜門岳                        竜門小屋1738

 

    

値千金 800円也                     外での夕食は大の楽しみ

 

 

竜門小屋の管理人さんの話、「小屋に着いたときの様子で登山者の居住地が分かる。受付をして2階に荷物を置いてビールを買うのは地元東北人、受付前に先ずビールを買うのは関東人、ビールの値段を聞いて値切るのが大阪人。」まさに当たっていて、これには大爆笑。早めに大石さん担当の酢飯、錦糸玉子、でんぶ、サバ缶、お吸い物を外のテーブルで美味しく頂く。

夕食後は二階の大部屋で、福岡から来た心優しいモヒカン刈りのお兄さんらと20時頃まで談笑。北アルプスなどの混雑が当たり前の山小屋では登山者同士の交流は考え難いが、朝日連峰では酒を酌み交わしながら楽しい時間を過ごせるのは嬉しい。

 

8月14日 薄曇り[竜門小屋から古寺鉱泉]

台風10号の影響か風が強い。見事な雲海越しに飯豊、月山、葉山がクッキリと浮かんでいる。近づいた大朝日を目指して快適な尾根歩きが続く。大朝日岳の頂上は細長く笠ヶ岳と同じような広さだ。ここで、朝日鉱泉へ向かうモヒカン刈りのお兄さんらと記念撮影して別れる。

 

  

竜門小屋 東側に雲海                雲海彼方に鳥海山

 

  

竜門から西朝日へ                                    大朝日岳

 

大朝日岳頂上にて 昨夜、竜門小屋で飲んだお二人ともお別れ(九州のモヒカン青年)

 

大朝日小屋は飲料などの販売は無し、これまでの小屋とはコンセプトが違い、あくまでも避難小屋との位置づけで小屋を開けているとのことだが、自分には此までの三つの山小屋の営業方針の方が好ましいように思われる。

古寺鉱泉に向けて下山、山行中の事故発生は下山時が多い。心して降りよう。沢の源頭部を歩く箇所では、沢からの吹き上げで樹木からの滴が雨降りのようだ。

小朝日岳の巻き道は歩きづらく整備が行き届いていない。下るにつれて、丁度良い場所に水場が出てきて有り難い。

 

  

ハナヌキ峰分岐 左は日暮沢、右が古寺鉱泉      素朴な古寺鉱泉                  

  

古寺鉱泉は思っていたよりこぢんまりとしており、温泉は準備中。古寺鉱泉のご主人からスペアキーを受け取り、駐車場にて山歩きは終了、皆さんお疲れ様でした。

 

[コースタイム]

12日 泡滝ダム8:15…泡滝登山口8:18…冷水沢吊橋9:25…七ッ滝沢吊橋9:59…大鳥池山荘11:20/11:50…三角峰手前13:50/55…オツボ峰15:05…以東岳16:25…以東岳避難小屋16:39

 

13日 同小屋6:00…以東岳6:00…中先峰7:20…狐穴小屋8:12…三方境8:49…北寒江山9:頃、三面尾根へ…デポ…善六池(鞍部)手前で戻る…三方池9:30/ティタイム10:15…北寒江山10:45…寒江山11:25…竜門小屋13:00

 

14日 同小屋6:00…竜門山6:10…西朝日岳7:06…中岳8:10,15…大朝日小屋8:35…大朝日岳8:55/9:00…大朝日小屋9:10…銀玉水分岐9:47…小朝日分岐10:49…古寺山11:12…ハナヌキ分岐11:58…古寺鉱泉13:10

 

その後、大井沢温泉にて汗を流し山形道経由で帰京の途についたが、東北道の断続的な渋滞が西那須・塩原IC付近まであり、大田原のビジネスホテルにて宿泊し15日に帰京した。同時期に東北へ行ったご近所の方の話では、この時期の東北道の上りは混雑が避けられないので、常磐道を利用すれば混雑は避けられるとの話。

 台風10号により一度は中止もやむなしと思った今回の山行、良きメンバーと好天に恵まれ、また東北人の素朴さにも出会えた素晴らしい山行でした。皆様に感謝!      (相原)