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     大平山南東尾根から大平山・社山南尾根    10月30日(日)

 

                         L 加藤、伊藤、相原、大石、妹尾

 

初冬となり移動性高気圧による小春日和に期待して日程を一日繰り下げ、前夜の内に東北道佐野SAで都内組と合流、足尾の銅親水公園にて仮泊した。新ハイキング社刊 松浦隆康著「静かなる尾根歩き」の大平山松木尾根から社山南尾根の項に掲載された広い笹原を登る写真に魅了されていたところ、加藤Lから嬉しい提案があった。

 

 

  安蘇沢林道スタート時は薄曇り      1200m付近の岳樺と笹原の尾根を進む

 

予想天気図から快晴を期待したが薄曇りの空模様、簡易舗装と砂利道の安蘇沢林道は整備が行き届いている。三角点△1179.2 から東南東に延びる尾根が林道に接する900m地点から尾根に取り付く。鹿のものと思われる獣道が尾根筋を延びており忠実に辿る。

 

 

  1300m付近の安蘇沢林道支線跡     ガスが晴れてきた笹原の獣道を辿る

 

取り付きから△1179.2 までは急勾配だが、その後は緩やかになり1300m付近で安蘇沢林道の支線跡を横切る。尾根は再び急勾配になり笹藪も腰から胸辺りまでのところもあり、獣道が縦横に走っているためトラバース気味の踏み跡に引き込まれそうになり気を抜くことが出来ない。遅れ気味のメンバーを1650m付近で二つのパーティーに分け、二名は大平山まで、三名は予定の周回コースとしたが、両者ともGPSを装備しているので最小限の心配で済む。

 

 

  大平山頂上近くの1900m付近     大平山頂上の山名標先行Pは見つからず

 

雲海の上に出た1650m付近からは眩しい陽射しを浴び、皇海山・宿堂坊山など栃木・群馬県境や庚申山・中倉山など足尾の山々を望めた。大平山には周回のタイムリミットに設定した11時の10分前に到着した。

 

 

中禅寺湖南岸尾根上の黒檜山分岐      笹原の先にピラミッドの社山

 

中禅寺湖南岸尾根上には古い道標がルートを示し登山者の踏み跡も見られるようになった。所々笹藪の深い箇所で踏み跡を失うこともあるが、藪山としては快適な稜線漫歩である。

 

 

男体山を左奥に・1792 手前で休憩        中禅寺湖畔の八丁出島

 

待望の中禅寺湖を左手に望むルートから八丁出島が見えたときは山にいる幸せを覚えた。

 

 

奥白根山から錫ケ岳を遠望          やっと社山に到着

 

社山への最後の詰めは登山道の修復もなく嘗ての登山道が入り込んでいるため、迷いやすい箇所もあったがタイムリミット14時の20分前に到着、予定の社山南尾根を下りることにした。

 

 

快適な笹尾根下降            枯れ葉の上をカサコソと歩く

 

藪こぎ山行では上りより下りの方が遙かに難しく、特に尾根が分岐する箇所では細心の注意を要する。・1568 標高点では西南西に延びる尾根に引き込まれやすく、1275m地点では南東への尾根が間違いやすい。地図とコンパス、GPSの高度計と画面上の地図を駆使して現在地と進むべき方向を都度確認しながら歩いた。

 

 

1170m付近のススキのトンネル       銅親水公園に帰ってきました

 

社山南尾根末端近くの・1012 標高点には久蔵沢雨量観測所が存在し巡視路を示す標示がある。巡視路は整備されずに何年も経過していると思われ、踏み跡が殆ど残っておらず荒れるに任せた状態であった。草を掴みながら沢状の急斜面を少しずつ下りると、最後は高さ3m程の岩場から久蔵川の右岸に下り立つことが出来た。

銅親水公園では大平山から下りた二人が暖かいコーヒーで迎えてくれ、安心したと同時に支えてくれたことに感謝した。

 

その後11月1日には冬型の気圧配置となり、日光の山々にも初雪が来たと報道された。私達5人が今年最後の大平山・社山の無雪期登山者かも知れない。

 

 銅親水公園6:05… 900m尾根取り付き7:00… 林道跡8:40… 1650m付近9:45… 大平山10:50… 黒檜山分岐11:30… 13:38社山13:50… 久蔵雨量観測所15:33… 久蔵川右岸15:50… 銅親水公園16:33

 

                                   相原 記