No,4469
北アルプス 針ノ木峠ピストン
2012年7月14,15日
L妹尾 加藤 正井 波多江
佐藤昌代(み)
針ノ木雪渓を登り、針ノ木岳から蓮華、七倉岳、船窪尾根を下るのが今回の3連休の計画だった。ところが、梅雨末期の荒れた天候の上、メンバーが体調崩し縦走困難となり翌日、針ノ木峠より往路を下山した。
早朝、東京駅発の長野新幹線で長野着、アルピコ特急バスで扇沢BSにAM10:15メンバー5人が到着した。
雲の低い小雨交じりの舗装林道を何度かショートカットして山道に入り1時間少々で昼頃に大沢小屋についた。小屋番によると、連休初日の今日はすでに4,50人ほど登っていったそうで、小屋は満員、テント場も狭く積雪もあるとのこと。
40分ほどで針ノ木雪渓に降りた、さらに数10分歩いてからアイゼンを着ける。テント泊装備を背負って数時間も急な雪渓を歩くのは初めての者もおり、それぞれに北アルプス三大雪渓の白馬大雪渓、剱沢、そして針ノ木雪渓を前に気分は高揚していた。
両側の険しい枝沢から落ちてきたデブリや落石、土砂、木っ端やらが散乱しておりこの時季の雪渓は汚らしい。
大沢小屋が標高1680m、針ノ木峠2540mなので、層積雲の端切れやら谷沿いに湧く雲塊やらに捕まるたびに霧雨になったり日が射したりで忙しい。
先行者の踏み跡が集まってくる狭いくびれが左手に屈曲する辺りは急傾斜で標高は2100m位か。
振り返ると種池方面、爺ケ岳が白髪を振り乱している。今年は8年前の同時季に比べても積雪が多い、針ノ木峠直下では無理矢理にジグザグ道が切ってあったのに今回は雪田を直登できた。
若手に続いて、峠に到達したがお楽しみだったジョッキ生も寒風のなかでは手が出ず、まずはテント場確保に専念。やはり、テントスペースは少なく登山道と残雪溜まりの辺りを小屋から借りたスコップ、ツルハシ等で手分けして造成しライトエスパースを張った。
姿を見せなかったS女は、体調を崩し小屋で温まっていた。結局、小屋に素泊まりすることになり彼女用に担いできたエアライズIは用事がなくなった。どうやら、日頃の疲れと雪渓登りの冷えこみで高度障害を引き起こしたらしい。
日が暮れてから風雨が強まり、それとともに翌日用に確保していたアルコールにも手が伸びてしまった。結局、翌朝も雨は断続していた。その空模様のなかでも雨具を着込み針ノ木岳や蓮華岳に向かう元気者も多数いるもの。S女は6時半頃、体調回復したとみえテントに戻ってきた。リーダーは午前中はお天気不安定の予報に、山行中の濡れ等でのS女の体力低下を恐れ縦走を取り止め往路下山することに決めていた。
7時頃重い腰を上げ、全員でテント撤収の開始。峠に移動してアイゼンを着け、雪渓下りの簡単なアドバイスをして一列に下り始める。雪は腐っておりすでに10数人は下っておりトレースが切られてあり、高度感はあるが安心して下れた。
途中、2050m位では足取りも慣れ傾斜も緩くなってきたので、登ってくる登山者を避けて雪渓脇で簡単な雪上訓練などして時間つぶし。
雪渓尻ではシラネアオイやショウジョウバカマが咲き、ブナ林は、日を浴びると美しい、静かな大沢小屋で腹ごしらえして満車の扇沢に降りていった。
(記・加藤)
7/14 東京発6:24長野新幹線あさま501長野着8:05、アルピコ特急バスで長野発8:30、扇沢10:15着
扇沢(1420m)10:40…大沢小屋(1680m)11:55,12:05…針ノ木雪渓(1800m)12:40…アイゼン装着13:05,15…針ノ木峠着(2540m)15:40、テント場造成・テント設営終了17:05
7/15 針ノ木峠(2540m)8:40……雪上訓練(2030 m付近)10:〜10:25頃…アイゼン脱10:50,11:06…大沢小屋11:50,12:15…扇沢BS着13:15 下界では曇りから晴れ間が増え暑くなる
扇沢BS発13:30 大町温泉郷で 入浴後、解散しそれぞれ帰京。