山雀No.4424                                山行レポート

           金精峠から錫ケ岳

 

2011108,9

メンバー:L山野 大石 正井 加藤

 

快晴の朝、奥日光金精峠・トンネル手前の駐車場でタクシーを降りた。中禅寺湖から戦場ヶ原にかけての樹林は、黄色に色づき、金精峠に掛けては常緑樹の緑と紅葉、黄葉と色とりどりに染まっていた。金精峠から群馬・栃木県境白錫尾根を錫が岳へ、宿堂坊山から千手ヶ原に降りる一泊二日の山歩きだ。

 金精峠駐車場から急な階段

前夜、東武日光駅に集まり、駅裏の駐車場隅のテントで仮眠し今朝6時にタクシーに乗り込んだ。金精峠までの階段混じりの急坂を登り切ると金精様の鎮座する社で金精山の岩壁が間近だ。西側に回り込んで梯子の脇を登り金精山の肩から県境尾根に乗った。

 金精山を仰ぎながら

 

 

 

国境平を後に笹の斜面を乗り切ると青空の視界に奥白根の巨体が飛び込んできた。思わず崖縁に走り寄れば巨大な奥白根の懐には五色沼がエメラルドブルーの水面を湛え左手には、これから辿る草紅葉と笹緑の白錫尾根が伸びていた。

 

 奥白根と五色沼

 

 白錫尾根を遠望

 

白根山避難小屋に右折する分岐より通行止めマークを乗り越えて観測所跡、奥白根を背景に草紅葉の陽当たりの尾根を行くと白根隠山(2410m)。尾根通しに行くと絶壁に落ちるので聞いた通り、少し戻り左手(南側)に下り巻き込むように崖下に出る。次の露岩帯は右手(北側)にルートがあって門のような岩が両脇に立ちはだかった間を通る。

 

 白根隠山より奥白根

 

 白根隠山を振り返り

 

 露岩の間を

 

なだらかな白桧山(2394m)からは、いよいよ膝上の笹が茂り倒木や立ち枯れの向こうに目指す錫が岳が大きくなる。秋は予定の錫ノ水場の水量がアテにできないこともあり、念のため溜まり池の水をペットボトル(濁り水なのでレトルト用)に確保した。

 

 

 

シラビソの原生林、マークを拾いながら辿って行くと立木に青い水場マークが目に入ってきた。錫ノ水場に着いた。ペシャンコ水筒2本とカップを持って群馬側に徒歩1分の水場に降りた。塩ビパイプから美味い清冽な水、各自35L確保して戻り、テントを設営した。

 錫の水場マーク

 

まだ早い時刻だが、明るく平らで乾いた2張り分のスペースがあり、リーダーは錫まで行くとは言い出さなかった。その後、単独が2人来たが、若い方は錫を越えると言い、年配者は森に戻っていった、両名とも明日は袈裟へ抜けるとのこと。リーダーが突然、慌てて水場にとって返した、入れ歯を忘れたとのこと、水場が近くて良かった。さあ、乾杯だがまだ、日が高いので飲み物が心配。

 

 快適なテント場

 

翌朝は、4時起き、各自持参の朝食を腹に詰め込み、テント撤収。薄明るくなって朝焼けの錫を目にしてから出発した。錫までは、登りでのある1時間だった。

 

 出発

 

憧れの錫ケ岳は樹林の山頂だった。昨日の単独の年輩者が休んでおり、今日は六林班まで行きたいのだとか。錫が岳でルートは南に折れ急降下する、少し分かり難い所。このあとは笹が茂っているが尾根が狭くなり歩き易くなる。

 

 錫が岳頂上

 

 全員

 

西側の開けた2077m峰を過ぎると栃木側に柳沢林道(廃道)が見えた。荷鞍尾根ノ頭付近では東に曲がり標高が下がると樹林と笹藪が鬱蒼としたネギト沢のコルについた。源頭の藪の薄いところで休憩すると、正井さんからリンゴの差し入れが出てきた、嬉しいひととき。あと一息だ、20分ほどの登りで樹林と笹の宿堂坊山(1968m)についた。

 

 有り難いマーク

 

 広い笹尾根

 

 2077m峰から錫が岳を振り返る

 

 尾根が狭くなり

 

 もう一つ先かしら

 

 宿堂坊山山頂 

 

錫と宿堂坊は私の30年来の憧れのひとつだった。ずいぶんと長い年月が経ってしまった。あとの宿堂坊〜国境平は次の、機会を待とう。昔、修験者が泊まったとかの広い笹原を降りて東尾根を下り始める。

昨年、東尾根を登った山野リーダーを先頭にマークだらけの広い尾根を下る。

 

 東尾根を下りる

 

1800mの台地で右手の急斜面を降りる南東尾根から吊り橋に下るルートもあるようだが、今回はそのまま東尾根を下り川原に出た。増水していて堰堤が渡れず少し上流側で靴を脱いで渡渉して柳沢林道(カーブミラー)に出た。

 

 柳沢川の堰堤

 

柳沢川の川原と紅葉の白樺疎林の気分の良い林道を歩き電気バスの来る西ノ湖入口BSに向かった。

 

 

今回2日間で出会ったパーティは錫が岳を過ぎてから、男性2人組とシゲト、三俣山を越えてきた女性2人組で昨日の単独2人と併せて6人だけ、獣の足跡と気配を感じる、まだまだ自然豊かな好ましい山域であることに嬉しく思う。

 

 西ノ湖入口BS

 

満員の電気バスを下車した赤沼車庫からは、奥日光紅葉見物の雑踏と渋滞に巻き込まれてしまった。                                

 

10/8(土) 晴れ 日光駅前6:00=タクシー=金精峠トンネル手前駐車場6:50    

駐車場7:05…金精峠()7:32,40…金精山稜上8:20…国境平9:10…五色山(2379m)9:40,50…前白根山10:15,25…白根隠山(2410m)11:30,35…錫ノ水場13:27着、水汲み後、幕営

10/9(日)  晴れ

出発5:45…錫が岳(2388m)6:43,7:0520778:57,9:05199110:30…ネギトのコル11:00,10…宿堂坊山(1968m)11:32,501800m付近、そのまま東尾根…末端13:13…堰堤の少し上流渡渉13:20…柳沢林道13:33…西ノ湖入口BS 13:55  14:15電気バス乗車=赤沼車庫

(記・加藤)