No.4272               平成21718(土)〜19日(日)前夜発

         黒戸尾根から 甲斐駒ケ岳

L山野、SL古田(敏)・相原、大石、伝田

1日目>曇り時々小雨。昨夜、真原山荘(古田さん宅)で仮眠させていただき、登山口の横手駒ヶ岳神社を6:45出発。広い駐車場を有する竹宇神社からの登山者が多いが、ここからも3パーティーが登って行った。神主らしき人に挨拶すると「しばらく荷揚げのヘリが飛んでない」と言っていた。広葉樹の深い登山道は急登もあるが水場に恰好な沢が2ヵ所ほどあり、気分を変えてくれる。快調に歩を進め1040m地点で一本(7:15)。すでに汗びっしょりであった。

 

▲安全登山を願って出発(横手駒ケ岳神社)        ▲広葉樹の道は気持ちいい(1040m地点)

 急登に備えて一本(1355m地点)

 やがて竹宇駒ケ岳神社からの道と合流、いよいよ黒戸尾根の開始となる。古田さんによれば「黒戸尾根からでないと甲斐駒に登ったことにならない」そうだ。八丁登りの長い急登、刃渡りのクサリ場など踏ん張り所が続く。小雨が降っても、緊張感で気にならない。

 

▲シラビソの樹林帯に入り地図で確認(1850m地点)              ▲両端が切れており慎重に登る(刃渡り)

 

▲各人、木の根元に陣取る (2050m地点)

厳しさを覚悟していたせいか、刀利天狗を過ぎ、黒戸山を右に巻きながら登り、50mほどジグザグに下った五合目小屋跡(2150m)まで、それほど長くは感じられなかった。だが、鞍部から屏風岩の登りで再び梯子・クサリが連続し腹筋の酷使を強いられる。甘いと反省。そこを突破すると、ひょいと七丈小屋が現れた(12:50)。

 

▲シルバー色の七丈第一小屋。我々の後ろが水場     ▲1時前で早いが着けば都でホッとする(小屋前)

 

▲トイレもきれいで使いやすい             ▲湯が沸かしてあり自由に使えた

 小屋からツヅミを望む

 この日の宿泊客は二十数名。非常にマナーがよかった。炊事に湯が使え、ガスの消費がわずかで済んだ。室内は暑いくらい。エアマットだけで十分だった。

2日目>曇り後小雨まじりの強風。七丈小屋を4:30出発。第二小屋の後ろのハシゴを登るとテント場が2ヵ所あった。岩場の急登を梯子・クサリを頼りに高度を稼ぐ。あたりはハイマツ帯に変わり、一気に高山の気配。だが、八合目御来迎場を過ぎる頃から風が強くなってきた。気温も一気に下がる。寒い。

 上のテント場から曇り空を覗う

本来なら大展望が開けてくるはず。だがガスに覆われて何も見えない。メガネが曇って往生する。やがて石祠が見えてきて山頂と思いきや実は東峰で、その先の北沢峠からの道を合わせて、もうひと登りしたところが山頂だった(6:50)。

風を避けた場所で一本。でも、ゆっくりしていられない。どうやら低気圧が発達しつつ南下したようだ。すぐに腰を上げる。強風に身をかがめ、ストックを花崗岩のザラ地に突き刺しながら下る。駒津峰まで無言。さらに下のハイマツ帯(2730m地点)に飛び込み、ようやくひと息ついた(7:50)。

 あっと言う間の下山(仙水峠)

この間、背後で「オーイ」の連呼が聞こえ、こちらも幾度か声を返すが、道の確認を求めてのものか定かでない。また、悪天にもかかわらず、子連れの登山者をまじえ続々と登ってくる。なかには大丈夫かと心配になるパーティーもいる。あるいは道を譲ろうとしない団体もいて、先頭の相原さんはかなりイラついていた。仙水峠で一本を入れ(9:23)、一気に北沢峠へ下った(10:36)。

甲斐駒や展望を堪能できなかったのは残念だが、黒戸尾根から駒の頂に立てたことは、今後に生きると思う。最後に、古田さんご夫妻にはお世話になりました。(伝田 記)