No.3793 吾妻連峰縦走 3/20-21(前夜発)

L.石井実、妹尾

久しぶりに、夜行バスで米沢、時間待ちのあと天元台へ。天気は高曇りで、ボーダーとテレマーカーがやけに目立つ。リフトで一番上まで上がりすぐにシールを付け登り始める。40分ほどで縦走路に到着、高曇りだが見晴らしは良い。暖冬のせいか樹氷はまったくなく、木々に少し雪がついている程度で期待を裏切られた。

シールを外して滑ったのはここだけで、あとは上り下りのルートのためシールはつけたままで進んだ。軽装のテレマーカー、ボーダーは東大テン辺りから見えなくなり大沢へ下ったか。明月荘が左手によく見える。今まで吾妻で景色が見えたことはあまり記憶にない。東大テン、昭元山を左に回り込んで、真正面に烏帽子山が見える鏡沼辺りでテント泊。そうこうするうちに青空が増えてゆき明日の天気を予感させるように真っ青な空に変わってしまった。
(天元台ロープウェー頂上
940 1220 東大テン1245 昭元山1415 1500鏡沼)

翌朝、ガスが少しずつなくなり快晴になった。烏帽子山、ニセ烏帽子山と樹林帯の中を真正面に家形山を目指して進む。右側に少し落ち込み池らしき平らな所の向こうに家形山が大きく見える。シールで、スキーを脱いで頂上に立った。あとは下るのみ。南南東に少し行くと展望が開け、真正面に吾妻小富士のお釜が大きく立ちはだかり、少し行くと下にスカイラインが広く見渡せた。おかしい、右により過ぎ尾根を一筋行きすぎたと思われ、トラバースしながら元に戻った。いよいよ下降、注意して進んでゆくうちに、急に左が開けそこに五色沼があった。あっ、このとき全てが理解できた。

    家形山と思ったら‥、実は一切経山‥。

家形山と思っていた山が、実は一切経山だった。頂上でも信じきっていたため確認を怠った。家形山に向かって進んでいるつもりが五色沼をぐるっと回っていたのだった。2時間のロス。少し進み慶応山荘が下に見えたので、その方向に滑り降りた。雪もしまりすべりやすいが疲れからか、なかなか制動が効かない。休み休み慶応山荘の近くに来ると赤、緑の目印が目立ちだした。それに沿って山荘、高湯スキー場に下降した。スキー場に入るとさすが滑りやすい。ゆっくり休みながらかっこよく(と思いながら)どんどん下のロッジまで滑り降りた。高湯のバスに間に合うシャトルバスが出てしまったとのこと、食事をしてタクシーで福島、新幹線で帰路に着いた。(テント710 −烏帽子山− 五色沼上10301125一切経山 1140 1240五色沼上 1320慶応山荘 1415高湯ロッジ)

           烏帽子を見る  雪庇の下で一服‥。 これが美味いのヨ。

これだけ天気の良い、見通しの良い山行で致命的な間違いをするとは、思い違い、思い込んでしまうと地形をどのようにでも解釈してしまうと怖さを感じた。また好天候なために、このような間違いをおかしてしまったともいえる。

滑る楽しさには少し欠けるが行きたいと思っていた吾妻縦走が出来た充実した山行であった。                                                                                                                                                                                              (妹尾記)

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