No.3631白毛門 2/22-23

L.宇山茂幸、宇山緑、三澤邦夫

22日

土合で車から降りるとポカポカ陽気で春のようだった。身支度を整え歩きだすと数グループに分かれて雪山講習会を行っていた。恐らく都岳連の冬山セルフレスキュー講習会だろう。滑落停止、埋没体験、ビーコン捜索、弱層テスト、搬送法などを数年前に生徒として1泊2日でここで習ったのが昨日のように思い出される。

土合橋から右に入る。東黒沢に架かる橋は雪に埋もれていたので沢に下りて対岸に移る。三澤さんがトップで突き進む。毎週の山行とダイエットの効果からか体が軽いみたいだ。

一段上がった大地でワカンをつけるも急な樹林帯の登りはつらい。一汗かいた少し平坦なスペースを見つけたのでここに泊まることにする。標高1000m位の東に尾根が延びているあたりだった。三澤さんは酒も控えめで食事も心なしか少ないような気がする。日頃の寝不足もあり20時30分には眠りにつく。

23日

朝起きると小雨が降っていて視界も良くない。日和りそうな気持ちを抑えて7時35分に無名山塾の20人位パーティが登ってきたのでせかされるようにテン場を出発する。

赤布を要所要所に残して頂上を目指す。松の木沢の頭から先は白毛門沢側に雪庇が張り出しているので要注意だ。岩場を回り込む数メートルは滑落する止まりそうもなく慎重に行動する。頂上直下の雪壁あたりでガスのためにサングラスをつけても外しても白一色で方向が判らなくなる。空の白と雪の白とが同化して目の前1mが見えなくなる。

一番傾斜きついところで35度位だろうか。右側の白毛門沢側はクレバスが隠れていて油断すると腰上までもぐる。亀裂の入った深い部分は2m以上のところも有り、単独行で落ちたときは登り返すのに難渋することだろう。短いクサリ場を越えると頂上の方向版が雪の間から顔を出していた。

展望もうひとつだったが2月の白毛門を登れたのには満足で思わず握手を交わす。振り返ると一本のトレールがずっと続いている。シリセードを交えてあっという間に土合に下る。

記 宇山茂幸

視界の悪い尾根をひたすら登る
登頂の証明?
山頂の案内板です
下山は楽しいナ!

ライン