ライン

山の木々が色づき始めると、きのこ狩りのシーズンです。日本にはおよそ4000から5000種類ものきのこがあるといわれています。山を歩いていると実にさまざまな種類のきのこに出会います。地面から生えているもの、木に生えているのもの、形、色も実にさまざまです。

でもこんなにたくさんあるきのこのうち、食べられるものとされているのはわずか100種類程度に過ぎません。ではきのこ狩りは難しいのでしょうか?そんなことはありません。要はたくさん採れて覚えやすいきのこを10〜20種類くらいでも覚えておけば、十分収穫はあるのです。このほか必ず覚えておきたいのは代表的な毒きのこ10種類程度です。

ブナの林はきのこ狩りをするには最適の場所です。狙い目は林の中に横たわっている倒木です。特にナメコなんかがびっしり付いている倒木を見つけた時など笑いが止まらなくなってしまうほどです。これは何か宝捜しにも似た楽しみのようです。でも登山道を歩いているだけではなかなか見つかりません。コツは、太いブナの木の多いところで登山道をはずれて林の中に入り、倒木を見つけることです。

ここでは、ブナ林の代表的な食べられるきのこと毒きのこをご紹介しましょう。

食べられるきのこ

ブナハリタケ ブナハリタケ ブナなどの倒木に重なるように多数生える。柄はない。色は白〜クリーム色で強い香りがあり、かさの裏側はひだではなく、針状になっているのが特徴。煮物、炊き込み御飯などに良い。
ムキタケ ムキタケ ブナなどの倒木に重なるように多数生える。色は黄色〜褐色、香りはあまりない。大きいものでは10センチ位にもなる。毒きのこのツキヨタケと似ているので注意。鍋物に良い。
ナメコ ナメコ いわずと知れたナメコ。ブナなどの倒木に多数生える。売っているものよりかさが大きいが、めりがあるのですぐそれと分かる。
クリタケ クリタケ ナメコに似ているが、やや色が濃く、栗色に近い。湿っているとわずかなぬめりがある。ブナなどの倒木に多数生える。鍋物に良い。
ナラタケ ナラタケ 倒木や切り株に群生する。色は淡黄褐色〜褐色。柄につばがある。(無いものはナラタケモドキといって区別されるがともに食用) 味噌汁に最適。

毒きのこ

ツキヨタケ ツキヨタケ ムキタケに良く似ていて生える場所や時期も同じ。やや色が濃く、チョコレート色に近い。裂いてみると、柄のところに黒いしみがあることが特徴。ひだに発光性がある。毒性はかなり強い。
ニガクリタケ ニガクリタケ 倒木や切り株に群生する。やや小型で、色は明るい硫黄色、中央部はやや色が濃い。味は苦い。毒性は強く、死亡例もある。

さあ、皆さんも図鑑を持って秋の山へ行きましょう。

山雀きのこ師 大山