SUOMI Gallery      2003年12月  (Finland /Saariselka)

‥ようこそ冬の天空へ‥

 オーロラをこの目で見たくてラップランドの旅へ出かけてきました。
思いもがけない時に現れたので言葉を失ってしまい、
ゆらゆらと色と形を変貌させながら流れゆくその姿に、我を忘れて見とれるだけでした‥。

 ホテルのベランダからの写真です。
この頃には少し慣れ、落ちついてレリーズを扱えました。
ベランダでも−20度になるので予備の電池を暖めて準備し、震えながら撮影しました。
 
 フィンランドの民族伝承では、火の狐または、伝説の動物とされています。
グリーンランドでは死んだ子供の魂が空で遊んでいるもの、
ロシアでは、赤いオーロラは死んだ兵士の魂が巨人と戦っているものと考えられていたそうです。  


‥トナカイ、クロカン体験、昇らない太陽‥
 
 おとなしいトナカイの引く橇に乗って林の中を周遊しました。黙々と走るトナカイ君。好物は苔です。
カーモス(北緯66度33分以北の北極圏で、太陽が地平線上に現れない時期)なので
昼頃の2〜3時間だけ明るくなりますが、あとは夕方みたいな暗さになります。
 トナカイステーキは油っけの無い淡白なやや固めのお肉です。濃い目の甘いソースで焼きます。
ついでに雷鳥も‥。高級ジビエだそうです。鳩に近いレバーっぽい独特の味。
サーモンスープ、ニシンの酢漬けとベリーのジャムの美味しさは文句無しです。

 クロカンを体験してみました。ゲレンデの板よりもだいぶ軽い板です。ペコペコと雪の上を歩きます。
リスを観察したり、雪の下に埋もれている実(こけももみたいな)を探したりしました。

 散歩していたらサーメ人のための教会がありました。シャンデリアの光が暖かい。
色分けされた郵便受け。建物は皆シンプルです。
店先では赤い帽子の木彫りの小人達がお出迎えしてくれました。
ナイフ、ククサ(白樺の瘤をくり抜いて作るカップ)、手袋を山用に買いました。
帽子を被っていないと寒くて耳が痛くなります。やまやさんみたいな格好の人が多かったです。

 一番右は、飛行機の中からのものです。北極圏通過。

      
 
 ラップランドには”ラピンタイカ”という言葉があります。
英語ではラップランド・マジックの意味になり、一度この地を訪れた旅人がラップランドの魔法にかかり、
また再びこの地に舞い戻ってくるという言い伝えです。
天空で乱舞を繰り返すオーロラ‥、
地平線からほんの少しだけ頭をもたげる太陽から降り注ぐ日差しの儚さ‥、
ため息のでるような彩りは、旅人を夢中にさせてくれます。                  (Myu)